コーポレートサイトの担当になり、社内で「どんなサイトにしたいか」を聞いて回ると、人によって違う答えが返ってきてしまうことがあります。会社案内の代わりにしたい、問い合わせを増やしたい、採用にも使いたいといった要望を同じ重さで載せると、誰に向けたサイトなのかが訪問者に伝わりにくくなります。
コーポレートサイトで必要な情報を訪問者に伝えるには、デザインを考える前に目的を決めることが大切です。この記事では、女性向け事業を営む会社や事務所でコーポレートサイトを担当する方に向けて、コーポレートサイトの主な5つの目的と、自社の目的を決める手順、目的を果たすためのポイントを解説します。
記事を読めば、自社のコーポレートサイトで何を優先すべきかを判断できます。コーポレートサイトの目的を絞り込む近道は、サイトを見に来る相手と、相手が確かめたいことを先に書き出すことです。
目次
コーポレートサイトの主な目的は5つ

コーポレートサイトとは、会社の基本情報や事業内容、考え方を公式に発信するWebサイトのことです。お客様・取引先・求職者など、会社に関わるさまざまな相手が見に来る点が、1つの商品を売るためのサイトとの違いになります。コーポレートサイトの主な目的は、以下の5つです。
- 会社が信頼できるかを確かめてもらう
- 問い合わせや相談につなげる
- 会社の考え方を伝えてブランドをつくる
- 求職者の応募につなげる
- お知らせで最新の情報を届ける
会社が信頼できるかを確かめてもらう
コーポレートサイトの最も基本的な目的は、会社が実在し、安心して取引できる相手かを確かめてもらうことです。名刺や紹介で初めて社名を知った取引先やお客様は、社名を検索してコーポレートサイトを開き、所在地・代表者名・事業内容を確認します。
コーポレートサイトが見つからない場合や、載っている情報が古い場合は、確かめようとした相手が取引や来店をためらう原因になります。
会社の規模が小さく、知名度がまだ高くない時期ほど、コーポレートサイトの会社概要は信頼を確かめてもらうための大切な材料です。
問い合わせや相談につなげる
コーポレートサイトを読んだ人に、問い合わせや相談、見積もりの依頼を送ってもらうことも主な目的の1つです。サービスの内容と依頼の流れを読んで自社に合うと判断した人が、その場で連絡できる状態にしておけば、コーポレートサイトは営業の窓口として働きます。
問い合わせを増やすには、コーポレートサイトを検索で見つけてもらう工夫も必要です。Googleなどの検索結果に自社のページを表示させるための取り組みを、SEO対策と呼びます。
コーポレートサイトで取り組めるSEO対策の具体的な方法は、以下の記事で紹介しています。
» 【広告費削減】コーポレートサイトに必要なSEO対策7選!失敗しないコツを解説
会社の考え方を伝えてブランドをつくる

会社の考え方や事業にかける思いを伝え、他の会社と比べたときに選ばれる理由をつくることも、コーポレートサイトの目的です。会社やサービスの印象を意図して形づくる取り組みは、ブランディングと呼ばれます。
女性向け事業では、お客様が問い合わせる前に、コーポレートサイトで会社の考え方や担当者の人柄を確かめる場面があります。業種ごとに確かめられる内容の例は、以下のとおりです。
- 鍼灸院:院長の考え方や施術を担当する人の人柄
- 化粧品の卸会社:会社の理念や商品を選ぶ基準
初めて鍼灸を受けるお客様は、院長のあいさつやスタッフ紹介を読み、安心して任せられる院かを判断します。化粧品の卸会社では、仕入れを考えるサロンのオーナーが、自分のサロンのお客様に勧められる商品かを確かめます。考え方が伝わるページは、価格や立地だけでは差がつきにくい場面で、選ばれる理由になる要素です。
会社の考え方は、文章だけでなく配色や写真などのデザインからも伝わります。女性のお客様に向けたデザインの考え方は、以下の記事で配色やフォントの例とあわせて解説しています。
» 【実例付き】女性向けデザインの作り方!配色やフォントのコツを解説
求職者の応募につなげる
求職者に会社を知ってもらい、求職者の応募につなげることもコーポレートサイトの目的です。求人票を見て会社に興味を持った求職者は、応募する前にコーポレートサイトを開き、事業内容や職場の様子を確かめます。
例えば女性向けのエステサロンを運営する会社なら、エステティシャンの仕事を探している求職者が、サロンの考え方や研修の内容、スタッフの働き方を確かめるためにコーポレートサイトを読みます。求人票に書ききれない職場の雰囲気を伝えられる点が、コーポレートサイトを採用に使う利点です。
お知らせで最新の情報を届ける
新しいサービスや営業時間の変更、休業日などを、お客様や取引先へ知らせることもコーポレートサイトの役割です。コーポレートサイトのお知らせは、会社の公式な記録として日付とともに残せます。
上場している会社では、株主や投資家に向けた決算などの情報(IR情報)を載せることも、コーポレートサイトの目的の1つです。
お知らせのページは、更新が止まると活動していない会社という印象を与えるおそれがあります。お知らせを目的に加える場合は、更新する担当者を決めてからページを作りましょう。
コーポレートサイトとサービスサイト・採用サイトの目的の違い

会社のWebサイトには、コーポレートサイトの他に、商品やサービスの申し込みを増やすためのサービスサイトや、応募者を集めるための採用サイトがあります。3種類のサイトの目的と読み手の違いは、以下の表のとおりです。
| サイトの種類 | 主な目的 | 主な読み手 |
| コーポレートサイト | 会社全体の情報を伝え、信頼を得る | お客様、取引先、求職者など会社に関わる人全体 |
| サービスサイト | 1つの商品やサービスの申し込みを増やす | 商品やサービスを検討しているお客様 |
| 採用サイト | 求職者の応募を増やす | 求職者 |
中小企業や事務所では、最初から3種類のサイトを分けて作る必要はありません。コーポレートサイトの中にサービス紹介や採用情報のページを置けば、1つのサイトで複数の目的を受け持てます。
特定のサービスの申し込みや求職者の応募をさらに増やしたい段階になったら、サービスサイトや採用サイトを別に作る方法もあります。
自社のコーポレートサイトの目的を決める手順

社内の要望を集めるだけでは、コーポレートサイトの目的は決まりません。見に来る相手から考えると、優先する目的を絞り込めます。コーポレートサイトの目的は、以下の順番で決めましょう。
- コーポレートサイトを見に来る相手と確かめたいことを書き出す
- 優先する目的を絞り込む
- 目的を果たせたかを確かめる数字を決める
コーポレートサイトを見に来る相手と確かめたいことを書き出す
最初に、コーポレートサイトを見に来る相手を、お客様・取引先・求職者のように書き出します。次に、相手ごとに、コーポレートサイトで何を確かめたいのかを1行ずつ書き添えます。
女性のお客様が多いネイルサロンを3店舗運営する会社なら、書き出す内容の例は以下のとおりです。
- 初めて来店を考えるお客様:施術の考え方と担当するネイリストの経歴
- 取引を考えているネイル用品の販売会社:会社の所在地と運営している店舗
- 応募を考えている求職者:働く人の様子と研修の内容
書き出した一覧は、どの相手にどのページで何を伝えるかを考える材料になります。
優先する目的を絞り込む

書き出した相手と、現在の事業上の課題を照らし合わせて、優先する目的を決めます。例えば、予約を増やしたい会社ならお客様の相談・予約への案内を、採用が進まず店舗を増やせない会社なら求職者向けの情報を優先します。「誰に見てもらうか」に加えて、「今、何を改善したいか」を社内で共有しましょう。
複数の目的を同じ重さで扱うと、トップページで何を先に見せるかが決まらず、どの相手にも伝わりにくいコーポレートサイトになります。
優先しない目的は、ページを用意するだけにとどめても問題ありません。優先順位がはっきりしていれば、トップページや問い合わせへの案内をどこに置くかを迷わずに決められます。
決めた目的と優先順位は、文章にして社内の関係者と共有しておきます。コーポレートサイトの目的が文章になっていれば、制作の途中でデザインやページの案に迷ったときに、目的に合うかどうかで判断が可能です。
目的を果たせたかを確かめる数字を決める
コーポレートサイトの目的を決めたら、目的を果たせたかを確かめるための数字もあわせて決めます。成果を確かめる指標には、問い合わせが目的なら問い合わせ件数、採用が目的なら応募件数などを設定します。
公開前に数字を決めておけば、公開後にアクセス解析の結果を見て、どのページを直すべきかを判断しやすくなります。アクセス解析とは、コーポレートサイトを訪れた人数や、よく読まれたページを調べる作業のことです。
公開後の更新やアクセス解析など、コーポレートサイトの運用の業務内容と費用の目安は、以下の記事で紹介しています。
» コーポレートサイトの運用に必要な業務内容とは?費用相場と成功させる3つのポイント
コーポレートサイトの目的を果たすために押さえたいポイント

目的を決めても、コーポレートサイトの中身が目的に合っていなければ、見に来た相手に必要な情報が届きません。コーポレートサイトの目的を果たすために押さえたいポイントは、以下の3つです。
- 目的ごとに必要なページをそろえる
- 見に来る相手が確かめたい情報を先に見せる
- 公開後に更新できる体制を整える
目的ごとに必要なページをそろえる
コーポレートサイトに置くページは、決めた目的から選びます。目的ごとに主に必要になるページは、以下の表のとおりです。
| 目的 | 主に必要になるページ |
| 会社が信頼できるかを確かめてもらう | 会社概要、事業内容 |
| 問い合わせや相談につなげる | サービス紹介、実績・事例、お問い合わせ |
| 会社の考え方を伝えてブランドをつくる | 代表メッセージ、企業理念、スタッフ紹介 |
| 求職者の応募につなげる | 採用情報、社員インタビュー |
| お知らせで最新の情報を届ける | お知らせ |
目的が増えるほど、コーポレートサイトのページ数も増えます。ページ数が増えると、制作にかかる費用や期間が増え、公開後に情報を更新する手間もかかります。まずは目的に優先順位をつけ、優先度の高い目的に必要なページからそろえると、無理なく運用できるコーポレートサイトになります。
見に来る相手が確かめたい情報を先に見せる

コーポレートサイトを開いた人は、自分が確かめたい情報を探しながらページを読みます。トップページでは、会社が誰に何を提供しているのかを最初に表示される画面で伝え、優先する目的のページへの入口を目立つ位置に置くことが大切です。入口が見つからないことは、訪問者が確かめたい情報にたどり着く前にページを閉じる原因です。
例えば女性のお客様が多いサロンでは、初めてのお客様が施術の考え方やスタッフ紹介を確かめてから予約することがあります。予約前に確かめる人が多いサロンの場合は、施術の考え方とスタッフ紹介のページを、トップページから1回の操作で開ける位置に置きます。お客様は、確かめたい情報へ迷わずたどり着けます。
» 【事例あり】女性向けホームページ制作で集客・売上を伸ばすコツを解説
ビジョナリー国際会計事務所様のサイトでは、国際的な事業姿勢を伝えるメッセージを日本語と英語で配置し、最初に表示される画面にお問い合わせボタンを置いています。これは、会社の考え方を伝えることと、相談への入口を分かりやすくすることを両立した設計例です。
公開後に更新できる体制を整える
コーポレートサイトの目的は、公開した日に果たし終えるものではありません。サービスの追加や料金の変更、お知らせを載せ続けることで、コーポレートサイトは見に来る相手の判断材料として働き続けます。
社内で更新するなら、専門知識がなくても文章や写真を差し替えられる仕組みを選ぶことが前提です。更新のたびに外部への依頼が必要な仕組みでは、小さな修正にも手間がかかり、情報が古いまま残りやすくなります。
同事務所のリニューアルでは、日常の更新を社内で行いやすくするための仕組みも見直しました。ここでは、公開後の運用を続けるためのツール選定例として紹介します。
Start by Designが担当したビジョナリー国際会計事務所様は、WordPressで作ったWebサイトの管理に悩んでいました。簡単な作業でも、外部に依頼しなければならなかったためです。
Start by Designは、サーバーの管理が要らず、操作も簡単なSTUDIOをご提案しました。社内で手軽に更新できる点を評価いただき、STUDIOでのリニューアルが決まりました。
» ビジョナリー国際会計事務所様の事例を詳しく見る
コーポレートサイトの目的は見に来る相手から決めましょう

コーポレートサイトの目的は、会社に関わる相手ごとに異なります。コーポレートサイトの主な目的は、以下の5つです。
- 会社が信頼できるかを確かめてもらう
- 問い合わせや相談につなげる
- 会社の考え方を伝えてブランドをつくる
- 求職者の応募につなげる
- お知らせで最新の情報を届ける
自社のコーポレートサイトでは、見に来る相手と、相手が確かめたいことを書き出してから、優先する目的を絞り込みます。目的に合わせてページをそろえ、公開後も更新を続ければ、コーポレートサイトは会社を選んでもらうための判断材料として働き続けます。まずは、自社のコーポレートサイトを見に来る相手を書き出すところから始めましょう。
Start by Designではコーポレートサイト制作に関する無料相談と見積もりの依頼を受け付けています。コーポレートサイトの目的を絞り込む段階からご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。
» Start by Designに無料で相談する

Start by Design合同会社 代表。Webディレクター / ブランディングディレクター。女性をターゲットとするビジネスのWeb制作・ブランディングを専門とする。11年以上の独立経験を持ち、美容・医療・ウェルネス領域での実績多数。ブランド・マネージャー資格・ウェブ解析士保有。